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立川らく朝の健康コラム

りんごか洋梨か

「お供えよ 二つ仲良く重なりおうて 末は焼いたりふくれたり」
オツな文句だね、古い都々逸だ。この季節、お餅を食べることが多い。餅ってじつは高カロリー食品で、餅はたった一切れでご飯1膳分のカロリーがある。だからちょっと油断してばくばく食べると、象のように太る、だからゾウ煮というんだね。

人間、太ると腹に脂肪がつく。皮下脂肪ならわかりやすいけど、お腹の中(腹腔内)についた脂肪は、なかなか自覚しないものだ。とかく腹の中は分からない。腹の探り合いなんて言葉があるくらいで、他人の腹の中はとくにわからない。「私は腹の中には何も無いですから」なんて言う人がいる。「本当に何も無いの」と聞くと、「本当です。だって腹の中はナイゾーといいますから」。

医療の世界でも、腹の中というのはなかなか分からなかった。そこに、超音波検査なんてのが出てきて、薄ぼんやりと分かるようになったのだが、極めつけがその後に出てきたCT検査だったよね。これは衝撃的だった。コンピューターを使って、腹の中を輪切りにして見せてくれた。本当によく分かる。腹をすぱっと割った絵を見せて、「ほら、ここに有るでしょう」なんて話すと、患者さんもよく理解できるのだ。昔の人も言ったじゃない、「腹を割って話せば分かりあえる」ってさ。本当だね。

脂肪がつきすぎたのを肥満という。これは常識。ただ肥満にも2種類あって、りんごと洋梨がある。さあ、どっちがいいですか。べつにデザートのパイの話じゃなくて、リンゴのような形になる体型と、洋梨状になる肥満とがある。つまり、腹の出たリンゴ型肥満と、お尻にボリュームの付く洋梨型肥満だね。どちらの方がいいかというと、洋梨。りんご型というのは腹が出てるから、脂肪は腹腔内に付いているということ。このタイプを内臓脂肪型肥満といって、動脈硬化症の大きなリスクとして注目されている。体重が同じでも、内臓の周辺に脂肪が付いている内臓脂肪型肥満は、より心筋梗塞になりやすい。だから最近では隠れ肥満とも言って恐れられているようだ。

では、内臓周辺の脂肪をどうやって測るかというと、一番正確なのがCTなのだ。しかしもっと簡単に知る方法もある。ウエストとヒップの比をみればいい。これをウエスト/ヒップ比といって、男性なら1以上、女性なら0.8以上で、あなたはリンゴと診断される。

とにかくこの内蔵脂肪型肥満、他に高血圧、高脂血症、糖尿病(予備軍でも同じ)が重なると、心筋梗塞の合併率が何倍にも跳ね上がる。この4つを「死の四重奏」と呼んでいるから恐ろしいよね。

肥満になるのは恐ろしいことなのです。でも、「肥満になるのは恐ろしい」なんて呑気なことを言っていられるのは読者の皆様の話。我々落語家は、肥満になるより、暇になる方がもっと恐ろしい。誰か、私に仕事ちょうだい!!


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